2009年4月15日水曜日

作家活動はいばらの道,でも奇跡は起こる

上京して色々な事を考えたので今日はまとめてやたらと更新してます
これで5回目


ずーっと頑張ってきた作家でも50歳過ぎた美術家の活動はどんどん困
難になって来る思われる。

私が発表の場としてやってきた現代アート界では主役は若い作家

私も若いころはもちろんアート界の主役にはほど遠い名もない作家だったが,

この世界でどうにかプロに認定される作家になりたいと頑張っていた。

まずはどこかの画廊で企画展をやってもらえる作家になりたい。
その次は美術館の企画展に入れる作家になりたい。
海外でも発表の場をもちたい。
コレクターがついて大作が売れる様な作家になりたい。
自分の作品をプロデュースしてくれて、マネージメントしてくれる
画廊がついて、自分は制作に専念していればいいという作家に
なりたい。。。

そういった事はだいたい皆考えるんじゃないだろうか。

起業家の発想で自分のアートを展開していった村上隆氏のような
作家はやはり異色だとおもう

画家は描きたくて仕方ないマインドに突き動かされて
安定した人生を若気の至りでポンとなげてしまうのだ。
そうしてあてどなく、なんの地図もなくアートの世界に漕ぎだして行く
けものみちのようにそれぞれのやり方で自分の生きる道を見つけて行くのだ。

私はもう54歳
頑張ってきたら、とっくに若くない年齢になっていて
ギャラリーのオーナーもキュレイターもジャーナリストも
気がつけば年下の方が多くなった。

私が20代のころ50代の半端な作家なんて
なんだか抑圧的で煙たいだけの存在だった様な気がする。
若さが失われている分ちょっと悲しい存在にも見えた。

ギャラリーも未知の若い才能のまぶしさを支援して
育てて行きたいという気持ちになるのは当然だ。
必死で藁をもつかむ思いで重ねてきたキャリアが
細かい事情など知る由もない場所では邪魔になる事もあり、
本当に悲しい思いをする事だってある。

すでにこの世界でビックネームになっている数少ないメジャーな
作家を外せば、50歳過ぎた作家のサバイバルはイバラの道なのだ

好きで年取ったわけじゃない。頑張っているうちにいつの間にかこんな
年になってしまっただけなのだ。

でも気がつけば周囲からは何となく扱いにくい重たい存在になっていたりするのだ、

人生って本当に皮肉にできている。

でも、そんなことはすべて作品の力で突破していくしかない次元の事だろう。
だから制作あるのみなのだ。


私はギャラリーから企画展の話が最初にきたのは37歳の時だった
初めて美術館の企画展によんでもらえたのはそれから数年後だろう
現代美術の世界にはその時その時で流行といってもよい作品の傾向があるが
私はかつて一度もそういった流れとシンクロした事がないので
時代の先端の部分に露出する事はついぞなかったが、逆にいえばどんな流行とも関係なかったからこそ生き残れたという事はあったかもしれない

昨年から今年になってなぜか美術館での企画が続いて本当にありがたいと思っている

さりとて今後の私の活動がどうなっていくかという事に関して言えば
まったくの白紙で
何の保証もないというのがこの世界だ。

ギャラリーも企画枠は限られているのだから若い作家の企画を
増やす為には、ベテランは居座らないほうが良い場合があると思う。
以心伝心というやつだ。引き際ってのも次の段階に行くには大切だろう

約一年間続行いたハードなスケジュールを終わった今
ようやく平静な気持ちにもどりつつある今
今後の小山の活動は今までとは違う発想スタンスでやって行くべきではないかと考え始めている。

求められてこその発表活動であるから、お声がかかれば物理的に困難な
場合は別としてどんどん発表していくという今までのスタンス自体はこ
れからも変えるつもりはない

具体的な足下の事ではなくて
もうすこし遠い目でみたときのビジョンを描き直そうかな、、、という
気持ちなのである。
今まで見えなかった事がうっすら見えてきたような気がするのだ

制作しながらゆるゆると考えて行きたいし、またダイアリーにも書いていきたいとおもう。

写真は横須賀美術館 花展の会場風景。奥にあるのは三木富雄の耳の作品。
こんな作品と競演できるなんて数ヶ月前まで想像したこともなかった。

私の人生においてはこれは奇跡といってもよい大きな出来事だ。

今長年おつきあいのあるお客様から、花展をみてきましたという感想のお葉書が届いた
そこには、とても苦労して悩んだ末に描いた500号が
存在感抜群でしたよというコメントがあった。

その他にもお葉書とお手紙が届いて、近況と横須賀美術館に行きますね!という内容。
励まされます。本当にありがとございます!

なんの保証もない作家業と先ほど書いたが、こういうおひとりおひとり
とのつながりこそが私の活動を支えてきた確かな力なのだ、

べつにビックなメジャー作家にならなくてもいい
私の作品を御覧になった人たちの心に届く作品を描き続けることができて
そして、その作品を御覧いただける場が確保して行けるなら、、

とはいえ、それもまた小さな奇跡が続かなければ実現しない事なのだ


長くなりすぎ!この続きはまた、、、これからガレリアにちょっと顔出
してきます。